板金修理は、車のボディのキズやへこみなど、変形した箇所をハンマーでたたいたり、溶接機を使ったりして形を整える作業です。
一言で言ってしまうととても簡単な作業のようですが、職人ワザが必要な、とっても難しい作業なんです。
それは、修理するのが「鉄」だから。鉄の性質というのは面白くて、「鉄は生き物」と言われるほど扱いが難しいものだそうです。鉄の変形は「弾性変形」と「塑性変形」という2つの大きな特性があります。
弾性変形は、力を加えても元に戻る性質。力を加えて曲げても、力を抜くと元の形に戻るという変形です。塑性変形は、弾性変形の限界を超えて力を加えた場合の、元に戻らない変形のことです。
この変形の性質は、素材の厚さや幅、硬さなどによって差があります。鉄は合金なので、成分の比率によって性質が変わるからです。
しかもへこみの形はひとつとして同じものはありません。 それを元通りにするには、まさに職人ワザが必要なのです。 しかもただ見た目を元通りにすればいいというわけではなく、人の命にも関わるものなので、強度についても考慮しなければなりません。
最近の車はコストダウンのため、安全基準をクリアできるギリギリのレベルまで薄くされています。
プレスで強度を補っているのですが、そのプレス部分が潰れてしまっていると強度不足になるので板金技術の出番となるわけですが、どこをどう叩く、引っ張るなどは技術と経験がものをいう職人の世界。
下手な人がやると、ポイントもわからずむやみやたらに叩くので鉄板が伸びてしまうそうです。
さらに成形のためにパテを盛ったり削ったりも腕の見せ所。ひどい場合は、仕上がりが波打ってしまったり、段差があったり…。
また、処理がずさんだとサビてしまったり、強度不足によって部品が欠落してしまうというケースも有り得るそうです。しっかりした技術を持っている業者を選ぶことは、とても大事ですね。